1991年9月14日と27日、西九州は台風17号と19号が通過しました。
どちらも西方海上を抜ける最悪のコースとなり、特に19号においては気象台の
観測史上最大(当時)の瞬間風速(平地53m/sec、山地60m/sec)を記録しました。
アマチュア局でも被害が続出し、八木など受風面積の多いアンテナは、クランクアップタワーを お使いの局を含め、壊滅といってよいほどのひどい状況でした。
そんな中、昇降機をご使用の各局さんの被害状況を調べてみました。
17号台風 | 19号台風 | |
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A 局 |
アンテナは下ろしませんでした。 昇降を数度繰り返し元の方向に向けなおしました。 復旧に要した時間は中学1年の息子と二人で30分でした。 |
前回の体験に懲りて、アンテナは下ろしました。
被害は50MHzのアンテナのエレメントが1本折れました。 |
B 局 |
昼過ぎにはアンテナを下ろし、翌朝にはまた上げました。 影響なし。 |
アンテナを下ろしましたが、バンドの締め付けが甘かったため、
中ほどのスペーサーが強風により、2~3cm動いてしまいました。 他には影響がなかったため、バンドの締め直しのみで完了。 |
C 局 |
GP、3エレHF八木、144MHzスタック、430MHzスタック、50MHz5エレ八木を一度に上げています。 仕事が一段落した夕方アンテナを下ろし、要所に角材を当てて、 コン柱にロープ締めしました。影響は全くありませんでした。 |
前回同様の処置を取りました。 |
D 局 |
17mコン柱+2mパンザ計19mに5m長の八木4本(144MHz、430MHzスタック)+プリアンプ、GPを使っています。
アンテナを下ろさなかったため50mmφの厚鋼パイプがベアリング付近から30度曲がり、今にも落ちそうでした。
さっそくアンテナをそーっと下ろし、日曜日に応援1名でアンテナとパイプを全てはずしました。
所要時間は2時間でした。アンテナも白い錆が結構出ていたので整備してからまた上げたいと思います。その時女房にちょっと手伝ってもらえば応援なしでも上げられそうです。
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17号で下ろしたアンテナの整備がまだ出来ていないので、GPのみしか上がっていません。 GPのみとはいえ、アンテナは下ろしましたので被害はありませんでした。 |
バンドの取り付けが甘かったため、レール取付位置がずれた局がありました。
本体の強度においては、期待以上で何の問題もありませんでした。
強風時アンテナを下降する・しないは大変な差であることがわかります。 また、復旧の早さは特筆すべきで、D局の場合、従来のアンテナ装置であれば、 復旧にはクレーンでも持ってこない限り不可能と思われます。